IPEF=インド太平洋経済枠組みは、アメリカのバイデン大統領が新たな経済連携の枠組みとして提唱したものです。
去年5月に交渉の開始が発表され、日本とアメリカに加え、
▽オーストラリア、
▽ニュージーランド、
▽韓国、
▽インド、
▽フィジー、
▽ブルネイ、
▽インドネシア、
▽マレーシア、
▽シンガポール、
▽タイ、
▽フィリピン、
▽ベトナムの14か国が参加し、世界のGDPのおよそ4割を占めています。
インド太平洋地域の経済的な枠組みとしては、日本なども参加するTPP=環太平洋パートナーシップ協定がありますが、アメリカとしては、自らが主導して新たな枠組みを作ることで、台頭する中国に対抗し、経済成長を続けるこの地域への影響力を維持するのが狙いです。
一方、IPEFの交渉に参加しているインドや東南アジアの国々にとっては、アメリカとの貿易やビジネスの拡大につなげる思惑があると見られます。
IPEFは、TPPとは違い、関税の撤廃や引き下げは交渉の対象にせず、
▼貿易、
▼サプライチェーン、
▼クリーン経済、
▼公正な経済の4つの分野での連携強化を目指しています。
このうちサプライチェーンの分野については、ことし5月の閣僚級の会合で実質妥結し、半導体や鉱物などの重要物資の供給が感染症や紛争などで途絶えた際、参加国どうしで供給しあうことなどで合意しました。
交渉を主導するアメリカや日本としては、ほかの交渉に弾みをつける狙いから、比較的、各国の意見の隔たりが小さく、経済連携のメリットを打ち出しやすい、サプライチェーンの分野を先行して妥結させた形です。
残る3つの分野では、汚職防止の取り組みなどを進める「公正な経済」の分野は交渉が進展していて、合意が近いとみられます。
一方で、「貿易」の分野は、国境を越えてデータを流通させる際のルール作りをめぐって、アメリカが国内で意見が分かれていることを理由に、合意の先送りを主張しています。
また、脱炭素を目指す「クリーン経済」の分野も、日本が、電気自動車などの導入に向けた数値目標を設けることに反対の立場を示すなど、意見の隔たりが残されています。
さらに、これら4つの分野すべてで交渉が妥結したとしても、IPEFは、参加国が参加したい分野を選べるため、貿易の分野には、インドが参加していないなど、その経済的な効果には課題も残ります。
今回の交渉では、参加国の結束をアピールするとともに、インド太平洋地域にとってどれだけ実のある成果を打ち出せるかが、焦点となります。
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