Cloud Chamberのスタジオ総合代表は22年のキャリアを持ち,「Civilization」シリーズなどでエグゼクティブプロデューサーを務めていたケリー・ギルモア氏(Kelly Gilmore)が就任する。
同スタジオはサンフランシスコ・ベイエリアのノヴァトと,カナダ・モントリオール州のケベックにチームが置かれる。ケベックスタジオは2Kにとって初のカナダ・オフィスになるとのこと。ケベックスタジオのマネージャーは,ケン・シャクター氏(Ken Shacter)が務める。
「バイオショック インフィニティ」が発売されたのが2013年で,じつに6年ぶりの新作となる。
今回の発表は「スタジオの創設」と「バイオショックの最新作をそのスタジオが開発する」というもので,その最新作についての情報はない。しかしながら,スタジオ総合代表のケリー・ギルモア氏にメールインタビューをする機会を得られたので,その内容をお届けしよう。今がどういった開発状況なのかが分かるはずだ。
4Gamer:
ケリー・ギルモアさんはこれまでCivilizationシリーズをはじめとするシド・マイヤー作品やXCOMといったストラテジータイトルに携わってきました。そうしたジャンルが得意なのかとお見受けしますが,今回の「バイオショック」の新作はこれまで通り,FPSになるのですか。
ケリー・ギルモア氏(以下,ギルモア氏):
沢山の受賞歴を誇るFiraxisの大ヒットタイトル「シドマイヤーズ シヴィライゼーション VI」や「XCOM」に過去20年近くにわたり,携わってきた私の経験がCloud Chamberという新しいスタジオでの挑戦に非常に役立つと考えています。「バイオショック」という大人気タイトルの最新作を手掛けられることにとても興奮していますし,従来のファンの皆様のみならず,新規ユーザーの皆様,どちらにも楽しんでいただける作品を創りたいと思っています。
私が勤めていたFiraxisは近年,ゲーム開発スタジオとして世界でもトップに入る地位を確立しました。Firaxisはとても働きやすい環境で,そこで私が学んだ一番大切なことは「スタッフを何より大切にするべき」ということです。スティーヴ・マーティンとシド・マイヤーが創った職場は,人々が日々働くことを楽しみにしながら出社できる環境でした。その結果,そのスタジオが作り出すゲームはどれも,ファンの皆様に長く愛される素晴らしいゲームとなり,スタジオもぐんぐんと成長していったのです。
2Kが,次の「バイオショック」タイトルの製作を手掛けると決まった時,新スタジオを率いるこのポストに,と私に声がかかり非常に光栄でした。シリーズ累計で3400万本を上回る,2Kを代表する人気タイトルの新作の製作を手掛けられるだけでなく,2K初の女性スタジオ代表となれることも非常に嬉しく,同時に少し不安も感じました。でも,一生に一度のチャンスだと思って引き受けさせていただきました。このポストにつけたことを本当に嬉しく誇りに思っていますし,2Kの新たなるスタジオを素晴らしいものしたいと,ワクワクしております。
新作のジャンルについてお話するには,まだちょっと時期が早すぎるのですが,そちらも今後のニュースを楽しみにお待ちいただければと思います。
4Gamer:
今作はシリーズのストーリーや世界観を引き継いでいるのですか。
ギルモア氏:
同様に,新作に関してはまだ詳細をお話するには時期が少し早すぎるのですが,新作の物語も「バイオショック」シリーズの核となる部分は引き継ぐ予定です,とだけはお伝えできます。ここから数年かけて,チーム皆でしっかりと開発を進めていく予定です。
4Gamer:
ノヴァトとケベックにチームを置いていますが,両方とも新作「バイオショック」の開発を行うのでしょうか。
ギルモア氏:
Cloud Chamberは「バイオショック」シリーズ新作の開発のために作られたスタジオですので,2つのスタジオは両方とも「バイオショック」新作の制作を手掛けます。2つのスタジオで分担しながら進めていく予定です。ほかのゲームに携わる予定は,どちらのスタジオとも現状ではございません。
4Gamer:
開発チームには過去にバイオショックシリーズに携わった人も在籍していますか。
ギルモア氏:
はい,過去のバイオショックシリーズに関わっていたベテラン経験者の制作スタッフもチームに加わってくれています。どのメンバーも非常に重要な立場で過去作の開発に関わった人たちばかりですので,新スタジオでは開発指揮をしてもらっています。
クリエイティブ・ディレクターのホーギー・ドゥ・ラ・プランテ(Hoagy de la Plante),アート・ディレクターのスコット・シンクレア(Scott Sinclair),そしてデザイン・ディレクターのジョナサン・ぺリング(Jonathan Pelling)らがそういった人たちです。
そのほかにも,「アサシン クリード」「バトルフィールド」「コール・オブ・デューティ」「スター・ウォーズ」「ウォーキング・デッド」など数々の人気作の開発に携わっていたスタッフたちが集結しています。今回,新スタジオ結成に伴って,集まったメンバーのその多様性と才能は,必ずや次なる「バイオショック」シリーズを素晴らしいものに導いてくれると私は信じています。
4Gamer:
日本のファンに向けてメッセージをお願いします。
ギルモア氏:
日本のファンの皆様には,「バイオショック」シリーズを心から愛して人気シリーズへと育ててくださったことに,心から感謝しております。私たちと同じぐらい,この人気シリーズの新作を楽しみにしていただければと思います。
また,開発にあたっては,ぜひとも皆様からの貴重なご意見もおうかがいして,一緒に次回作を素晴らしいものへと成長させていくことができれば嬉しいと思っております。
2019-12-09 13:00:00Z
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