ニセ電話詐欺への注意を呼び掛ける大津署員やボランティアの有志ら=大津市のJR瀬田駅前で |
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高齢者宅などにうその電話をかけて、現金をだまし取る「ニセ電話詐欺」が、ことしに入っても、県内で猛威をふるい続けている。昨年1年間の被害は計3億4000万円に上った。警察官などを装い、銀行のカードをだまし取る犯行のほか、ことしは昔ながらの手口として知られる「オレオレ詐欺」が巧妙化した形で流行。県警は警戒を呼び掛けている。
「息子を語る詐欺が増えています」。二月十四日、大津市のJR瀬田駅前で大津署員らが「『株の取引に失敗した』『改元のためキャッシュカードを交換』 全部うそ」と書かれたちらしを配った。「最近、“原点回帰”の手口が増えてきている」。オレオレ詐欺が続発していることに、同署の担当者は表情を曇らせた。
県内でことし、特殊詐欺の被害は昨年同期比八件増の十九件(十八日現在)で、被害額は約四千六百万円。県警などは二月十日、「特殊詐欺多発注意報」を十日間の期間で発令。被害の続出を受けて、同十九日に再び十日間の延長を発表した。
県警によると、昨年の被害は一年間で前年比二十九件増の百四十四件。被害額は同14%増の約三億四千万円。一方で、刑法犯認知件数は15%減の六千七百七十一件と、減少が目立っている。別の犯罪に手を染めていたグループが、電話詐欺に注力し始めたとの見方もある。
昨年は、警察官を装って「詐欺グループがあなたのカードを使っていた」「カードの更新が必要」と電話し、玄関先などでキャッシュカードを封筒に入れさせて、他の封筒とすり替えて奪う手口が流行。これは、前年比約五倍の七十四件で半数を占めた。ただ、今年一〜二月には、息子をかたる「オレオレ詐欺」被害が前年同期比二件増の三件相次いだ。
オレオレ詐欺は、かつて「俺だよ俺」と名前を告げずに息子だと信じさせた後、風邪を装いながら「お金が必要」などと言って、銀行などで振り込みをさせる単純な手口で知られた。
ただ、現在は事前に調べ上げた息子の名前を電話口で語って、信用をさせるという。その翌日などに「株で失敗した」などと切り出し、「代理人が金を取りに行く」などと言って、家の近くまで金を取りに来る手口が目立っている。銀行などで詐欺防止の対策が進んでいるため、振り込みでなく、直接現金を手渡させるパターンが多いという。
県警生活安全企画課の担当者は、高齢者宅の電話は留守番電話に設定し、用事がある人に電話をかけ直すように勧めている。「子どもや孫などの家族が、親や祖父母宅の電話に対策をしてあげてほしい」と呼び掛けている。
◆被害で心にも傷
「東近江警察署、生活安全課の○○と申します」−。県警が報道各社に公開した、詐欺犯が被害者に電話で語った録音を聞いた。警察官を装う男の声は、丁寧ではきはきとしており、語りはまさに「立て板に水」。「これなら、だまされても不思議ではない」と感じた。
ひとたびだまされてしまうと、被害者が負う傷は深い。オレオレ詐欺などは、「息子を助けよう」という親心につけこむ卑劣な犯行。金銭を失うだけでなく、心に深い傷を負い、家族からひどくしかられるなどして、その後の家族関係に苦しむ例もあるという。
詐欺グループの検挙は、「見えない敵」を捕まえることとあって、容易ではなく、被害は続きそうだ。高齢者だけでなく、若い世代も被害に関心を持ち、ともに予防策を考えてほしい。
(作山哲平)
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March 01, 2020 at 03:09AM
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減らぬニセ電話詐欺被害 かつての「オレオレ」増加、巧妙化 - 中日新聞
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