「久しぶりに元気な顔を見られて、本当に良かった」。郡山市で特別養護老人ホームを運営する太田福祉記念会は２２日、新型コロナウイルス感染防止のため面会できないでいた入所者と家族とが、テレビ電話で話すことができるサービスを始めた。面会禁止になってから約２カ月の間、寂しさや不安を感じながら過ごしていた入所者たちは、画面に映る子や孫の元気な姿に、涙ぐんで喜んでいた。
「いやー、やっと会わっちゃ。ありがとう、本当にありがとうね」
郡山市熱海町の玉川ホームに入所する橋本ヤス子さん（９４）は、市内の自宅にいる孫の顔がタブレット画面に映ると、声を詰まらせた。施設職員から、久しぶりに孫の顔を見て話せると聞いた橋本さんはこの日、朝から何度も時計を見たり、自分が着る服を選んだりと、とても楽しみにしていたという。５分間ほどの電話だったが、孫から近況を聞き、ひ孫の成長を見て終始うれしそうだった。
同施設では重症化リスクが高い入所者の感染を避けるため、２月末から家族らの施設への立ち入りを禁止している。家族には入所者の健康状態などを逐一伝え、入所者にも面会禁止について説明しているが、入所者の中には状況を十分に理解できない人もいる。時間がたつにつれて「毎日来てくれていたのに最近来ない。元気なんだろうか」「いつも誕生日には来てくれていたのに」などの声が聞かれるようになったという。
テレビ電話など、顔を見ながら会話するためのツールは一般的なものとなっているが、入所者の約９割はスマートフォンなどを持っておらず、知らない人が大半だ。このため、同会は同施設と「あたみホーム」の２施設にタブレットを導入。入所者と家族の時間を調整して家族所有のスマートフォンとつなぎ、無料通信アプリＬＩＮＥ（ライン）を通じて会話できるようにした。
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April 23, 2020 at 07:16AM
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会えた！笑顔で話す「テレビ電話」 老人ホーム新型コロナ対策 - 福島民友
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