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秋田大雨 道路冠水、都市機能まひ 住民、疲労にじませ片付けに追われる - 河北新報オンライン

大雨で病棟が停電し、入院患者を別の医療機関に搬送する自衛隊員ら=16日午後2時30分ごろ、秋田市南通の中通総合病院

 記録的な大雨となった秋田県内は16日も断続的に強い雨が降った。秋田市中心部では道路冠水の影響が続き、医療、交通、商業といった都市機能がまひした。水が引き始めた街中には過酷な避難による疲労をにじませたり、片付けに追われたりする人の姿があった。
(秋田総局・高橋諒、柴崎吉敬、藤原佳那)

中通総合病院、入院患者を県内6病院に避難

 市中心部の中通総合病院は15日夜に地下設備が浸水し一部病棟で停電が発生。非常用発電機が作動したものの冷房や給湯器が使えなくなり、16日に自衛隊などの支援を受けて入院患者28人を県内の6病院に避難させた。同日の診療も救急を含め全て中止とした。

 近江有人(ありひと)事務次長は「元々水害に弱いと考えていたが、恐れていたことが起きた。患者の命を最優先に病院機能を維持したい」と切迫した様子で話した。

 県の基幹災害拠点病院に位置付けられる秋田大病院も、15日夜から救急患者の受け入れを停止した。周囲の冠水で救急車や患者の来院が難しい上、病院にたどり着けないスタッフもおり、限られた人員で患者の対応に当たった。

 在来線も終日不通で、JR秋田駅前で途方に暮れる住民もいた。駅に避難した市内の男性(62)は自宅に戻れず、駅のベンチで夜を明かした。「歩いて家に帰ろうとも思ったが、危険を感じてとどまった。自宅や車も水没しているかもしれない」と不安を口にした。

大雨の影響で崩落した旭川(右)の歩道=16日午前7時10分ごろ、秋田市中通5丁目
理髪店内に入り込んだ泥を洗い流す=16日午前10時40分ごろ、秋田市南通築地5丁目

 市中心部では16日早朝から、多くの住民が店舗や自宅の片付けにいそしんだ。店内にたまった泥水を外に掃き出していた事務用品店経営三戸俊信さん(74)と妻由美子さん(70)は「この辺りまで水が来るのは70年以上で初めて。みるみるうちに水かさが増し、もう、なるようになれという感じだった」と苦笑した。

 市役所内の避難所には16日も午前11時時点で125人が身を寄せた。母親(84)と来た女性(58)は、15日夕に避難を決めた時には既に自宅周辺の道路は水位が上がり、車での移動が困難だった。2人で腰まで水に漬かりながら進み、見ず知らずの人が車で市役所まで送ってくれたという。

 女性は「もう少し早めに避難すればよかったと後悔している。何とかたどり着けて、乗せてもらった人には感謝してもしきれない」と涙を拭った。

大雨で道路が冠水し、交通が分断された市中心部=16日午前6時55分ごろ、秋田市中通3丁目

 住民の中には、最寄りの避難所が浸水したり道路が冠水したりし約3キロ離れた地区から身を寄せた人や、開いている避難所を車で探し回った人も複数いた。

 市役所の避難所には一時、市の想定より多くの住民が詰めかけ、テント設営の遅れなどで避難スペースに入れない市民が廊下にあふれた。2時間待ったという70代無職女性は「避難してくるのが分かっているならば、ある程度事前に準備しておくべきだ。案内の優先順位も不明確だ」と市の対応に首をかしげた。

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