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【政論】処理水放出は政治が決断を 福島に委ねるな - 産経ニュース

東京電力福島第1原発の敷地内に並ぶ処理水のタンク(手前)=1月

政府が今月末にも予定する東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出を巡り、東電が平成27年に福島県漁業協同組合連合会に示した文書が焦点になっている。文書は「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」としているが、「理解」を「了承」と読み取れば、漁連に放出判断の責任を負わせることになりかねない。東日本大震災からの復興と日本のエネルギー政策を左右する決断は、業界団体に委ねるのではなく、政治が担う必要がある。

文書は27年当時、処理水の取り扱いを議論した経済産業省の有識者会議の検証結果に関し、「漁業者をはじめ、関係者への丁寧な説明など必要な取り組みを行う」「こうしたプロセスや関係者の理解なしには、いかなる処分も行わず」としたものだ。あくまでも検証結果を説明した内容に対する「理解」と読める。

政府は言及を避けるが、放出に反対する県漁連の野崎哲会長は今年4月、メディアのインタビューで〝ヒント〟を示している。

「(放射性物質の)トリチウムの性質や事業の進め方の説明は受けている。こうした内容について理解した上で、懸念を発信していきたい。ただし了解することはできない。理解と了解は違う」

野崎氏に限らず、「理解」を口にする関係者は少なくない。背景には、ある計画を巡るトラウマが指摘される。原発の建屋に流れ込む地下水を周辺のサブドレン(井戸)からくみ上げ、浄化処理してから海洋に放出する計画だ。

27年の文書は、この計画に県漁連の了承を得る過程で示され、漁連は了承に転じた。だが、「海は漁業者だけのものではない」といった非難の声が相次いだ。漁連が計画の実行を後押ししたと映った形だ。

現状、処理水を保管するタンクの容量は限界に近付きつつあり、放出時期は原発の廃炉工程の進展を左右する。

「政権が吹き飛ぶ可能性があっても、政治が責任を持たねばならない」

ある閣僚は周囲にこう語る。政治家は復興を進めるため、決断を避けてはならない。風評被害対策に加え、漁業者を守ることもまた政治の使命だ。(奥原慎平)

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