29日午前10時20分ごろ、東京都港区虎ノ門2の虎ノ門ツインビルディング15階に入る原子力関連施設のセキュリティー会社「日本原子力防護システム」の従業員から、「男がガソリンをまいて、火を付けた」と110番があった。捜査関係者によると、エレベーターホールのカーペットなどが焼けたが、けが人はいないとみられる。
警視庁は現場にいた自称・同社の元従業員で20代とみられる男性を、銃刀法違反容疑で現行犯逮捕した。男性はナイフやナタのようなものを所持していたという。現場にはポリタンクがあり、会社の入り口付近に灯油がまかれていたとみられる。男性は「火を付けたのは間違いない」と供述しているという。
ホームページによると、日本原子力防護システムは1977年設立で、原発など原子力関連施設の防護システムの開発や施工、点検業務を手がけている。同社の担当者は取材に「火災の当時はオフィス内に30~40人の従業員がいたが、全員避難して無事だった」と話した。
ビル近くを通りかかった50代の女性は「男性が警察官に抱えられるように出てきた。表情は冷静に見えた」と話した。【木原真希、加藤昌平、菅健吾】
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