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パイロットと管制官のやりとりは無線通信を使用 誤認や聞き間違いなど後絶たず - 産経ニュース

羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突、炎上した事故を受け、国土交通省は9日、管制官が「ナンバー1(1番目)」などと出発順をパイロットに伝える運用を当面見合わせる方針を示した。管制官とパイロットのやりとりは現在も音声による無線通信が使われており、誤認や聞き間違いなどによるトラブルは後を絶たない。最先端技術が結集されたともいえる航空システムの中で、なぜ長年、無線通信が使われているのか。

世界有数の過密空港として知られる羽田空港で2日に起きた日航機と海保機の衝突事故。交信記録によると、管制官は「1番目。C5上の滑走路停止位置まで地上走行してください」と海保機に指示。機長は「向かいます。1番目」と復唱したが、そのまま滑走路に進入し、着陸した日航機と衝突した。

C滑走路脇に横たわる日航機の残骸(奥)。手前は離陸のため滑走路に向かう日航機=4日午前、羽田空港(酒巻俊介撮影)

国交省によると、空港周辺で離着陸のために稼働している航空機のパイロットと管制官とのやりとりは全て音声による無線通信で行われている。世界共通だ。

海洋上と高高度を飛行中はデジタル化した「衛星データリンク」が使われているが、空港周辺は高度を変更したり、経路をジグザグに飛んだりと複雑で迅速なやりとりが必要なため、タイムラグのない音声による無線通信でのやりとりがもっとも安全だとされる。

ただ、無線通信は複数の航空機が同じ周波数で交信するため、自らが発信している最中は受信することができない。管制官とパイロットとの交信で、混線や聞き間違いなどによるトラブルは過去何度も生じており、それが原因で大事故につながったケースもある。

スペイン領カナリア諸島テネリフェで1977年、パンアメリカン航空機が滑走路に誤進入し、離陸中のKLMオランダ航空機と衝突する事故が起きた。管制との交信がうまくいかず、濃霧だった上、近隣の空港でテロ事件が発生し空港が過密だったという要因も重なり、583人が死亡する史上最悪の航空事故となった。

こうした人的ミスを防ぐため、管制官はパイロットに復唱を促す必要があり、パイロットも復唱するのが基本だという。また、誤解されやすい用語を使わず、簡潔な意思疎通を図るようにしている。

元日航機長で、航空評論家の小林宏之氏は「デジタル化により、コミュニケーションの不具合を防ぐことはできる。技術的に不可能ではないが、やりとりに時間がかかるため、羽田空港のような過密空港では離着陸数を減らさないと導入は無理だろう」と指摘。「安全と効率のはざまで無線通信を使わざるを得ないのが現状だ」と話した。(大渡美咲)

羽田事故背景に「過密ダイヤ」指摘も

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