中華料理チェーン「餃子の王将」を全国展開する王将フードサービス(京都市山科区)の社長だった、大東隆行さん(当時72歳)が2013年12月に本社前で射殺された事件で、京都府警捜査本部は、北九州市の特定危険指定暴力団・工藤会関係者の男性受刑者(56)=銃刀法違反などの罪で収監中=が関与した疑いが強まったとして、殺人などの疑いで月内にも逮捕する方針を固めた。事件の背景に会社のトラブルがあったとみて、全容解明を目指す。有名企業のトップが射殺された衝撃的な事件は、発生から9年で重大局面を迎える。
事件現場付近ではたばこの吸い殻が発見され、DNA型が検出された。捜査本部はこれらの証拠を基に、受刑者が関与したという見方を強めたとみられる。
事件は13年12月19日午前5時45分ごろ、山科区の本社ビル前で発生。大東さんが駐車場に乗用車を止めて降りた際、胸や腹部に計4発の銃弾を受けた。同6時ごろに現場で失血死したとみられ、同7時ごろに出勤してきた社員が発見して通報した。
大東さんは約1キロ離れた自宅から自分で運転し、出勤したところだった。当時はまだ夜明け前で、雨が降っていた。
捜査関係者によると、犯行に使われたのは25口径の自動式拳銃で、至近距離から撃たれたとみられる。4発の銃弾すべてを命中させており、捜査本部は銃の扱いに手慣れた人物の犯行と判断。暴力団関係者を中心に捜査していた。
また、大東さんの衣服や車内には現金が残されており、捜査本部は当初から、会社に恨みを持つ人物が関与した可能性が高いとみて、大東さんの交友関係や会社のトラブルについても調べを進めてきた。
現場近くの防犯カメラには、犯人とみられる人影や、走り去るオートバイのヘッドライトが映っていた。事件後、現場から約2キロ離れたアパート駐輪場で、逃走に使われたとみられるバイクが見つかり、ハンドルから硝煙反応が検出された。13年10月に京都府城陽市で盗まれたもので、20年10月に窃盗罪の公訴時効が成立している。
犯行直前には、九州ナンバーの車と並走するバイクの映像も残っており、捜査本部は組織的、計画的な犯行とみていた。
工藤会を巡っては14年以降、福岡県警が集中的な摘発に乗り出し、工藤会トップら幹部を相次いで逮捕。京都府警は福岡県警と協力して調べを進めてきた。
餃子の王将
1967年に京都・四条大宮に1号店を出店。90年に王将フードサービスに社名を変更。2006年に大証1部に上場し、13年に東証1部に移行した(現在は東証プライム)。ホームページによると、全国で734店(22年3月現在)を運営し、中華料理店業界ではトップクラス。年間の売上高は847億円(22年3月期)。
「餃子の王将」社長射殺事件の経過
2000年4月 大東隆行さんが4代目社長に就任
13年10月 京都府内でバイク2台が盗まれる
12月19日 午前5時45分ごろ、京都市山科区の本社ビル前駐車場で大東さんが射殺される。府警が殺人容疑で捜査本部を設置
14年4月 現場から逃走に使われたとみられるバイク2台を捜査本部が押収し、1台から硝煙反応
12月 事件前、現場付近の防犯カメラに九州ナンバーの不審な乗用車と盗難バイクが並走していたことが判明
15年 現場付近に落ちていたたばこの吸い殻から、工藤会関係者と一致するDNA型を検出
18年6月 福岡市内で起きた銃撃事件で、福岡県警がこの工藤会関係者を銃刀法違反などの容疑で逮捕
19年11月 福岡地裁が工藤会関係者に懲役10年の実刑判決
20年11月 福岡高裁は関係者側の控訴を棄却。その後に判決が確定
from 日本 - 最新 - Google ニュース https://ift.tt/rQWqoAx
via IFTTT
Bagikan Berita Ini
0 Response to "「餃子の王将」社長射殺、工藤会関係者を逮捕へ 殺人などの疑い - 毎日新聞 - 毎日新聞"
Post a Comment