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長崎原爆忌、台風で60年ぶりに式典を屋内開催…被爆者の一般参列も初めて行われず - 読売新聞オンライン

 長崎は9日、被爆から78年となる「長崎原爆の日」を迎えた。台風6号の接近に伴い、長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典の会場を長崎市の平和公園から屋内施設「出島メッセ長崎」に変更し、午前10時45分から式典が営まれた。長崎市の鈴木史朗市長は「長崎平和宣言」で、ロシアのウクライナ侵略により「核戦争の危機が一段と高まっている」と指摘。被爆地を訪れ、実相を知ることが「核兵器のない世界への出発点だ」と訴えた。

 式典の屋内開催は60年ぶり。当初は約2400人規模で開催予定だったが、岸田首相や各国大使らの参列や被爆者を含む一般参列は見送られた。「平和への誓い」を読み上げる被爆者代表は、台風接近前に長崎入りしており、市は本人の意向を踏まえて参列を決めた。被爆者が一般参列しないのは、式典が現在の形になった1956年以降初めて。

 原爆投下時刻の午前11時2分には、参列した市議ら約50人が黙とうして犠牲者の 冥福めいふく を祈った。

 被爆2世の鈴木市長は市長就任後、初めて読み上げた平和宣言で、5月に広島で開かれた先進7か国首脳会議(G7サミット)に言及。各国首脳が広島平和記念資料館を訪れ、被爆者と面会したことに触れ、「被爆の実相を知ることの重要性を世界に示した」と一定の評価を示した。

 一方、核兵器で自国の安全を守る「核抑止」については「依存していては核兵器のない世界を実現することはできない」と強調。各国首脳に対し「今こそ、核抑止への依存からの脱却を勇気を持って決断すべきだ」と訴えた。

 日本政府に対しては、唯一の戦争被爆国として、核兵器禁止条約に署名、批准するよう求めたほか、被爆者援護のさらなる充実と、国が定めた被爆地域外で原爆に遭った「被爆体験者」の救済を求めた。

 岸田首相は式典にビデオメッセージを寄せ、「核軍縮をめぐる国際社会の分断が深まり、ロシアによる核の威嚇が行われる中で、『核兵器のない世界』の実現に向けた道のりは一層厳しいものになっている」と指摘。核拡散防止条約(NPT)を国際社会が結束して維持・強化するよう訴え、「核兵器のない世界」の実現に向け「国際社会の取り組みを主導する」と述べた。

 式典では、7月末までの1年間に死亡が確認された3314人の名前を記した原爆死没者名簿3冊が奉安された。名簿は計200冊となり、死没者数は累計19万5607人となった。

 平和公園や爆心地では、時折強い雨が降る中、被爆者や遺族らが静かに祈りをささげる姿も見られた。

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