1月16日に発売を迎える『龍が如く』シリーズ最新作『龍が如く7 光と闇の行方』。新主人公・春日一番が紡ぐ新たなシリーズははたしてどうなのか? 大きな注目を集める本作を、ひと足先にプレイした担当者たちが、テーマに沿った視点で先行インプレッションをお届けする連載企画も今回でラスト。第3回は『龍が如く』ファンが期待を寄せるドラマについて、初代からシリーズを追い続ける担当編集Oがネタバレしない範囲で語らせていただきます!
『龍が如く』シリーズの終わりと始まりを全力で描き切った極上のドラマを体験!
シリーズをずっと追いかけてきた古参ファンならば、「東城会は強くあるべき!」と考えてしまうのはごく当然のことですよね? そして、それがシリーズでは不変であると思っていました。ですが、そんな考えを正面からぶち壊したのが、『龍が如く7』で発表された“東城会の壊滅”というキーワードだったんです。
前作『龍が如く6 命の詩。』では、シリーズの主人公だった桐生一馬の伝説に幕が下りました。もちろん、大好きな主人公なので寂しい気持ちがありましたが、春日一番という男が新たに主人公の座に就いたのは、次の時代に進むんだという“龍が如くスタジオ”の強い意志を感じられて、そこは意外とすんなり受け止められました。なにせそこには主人公は変われど、東城会という話の軸までは変わらないだろうという、勝手な思い込みがありましたからね。
だからこそタイトルの発表と同時に公開された“東城会が壊滅した”という設定は、ガツンと頭を殴られた衝撃でしたし、「なぜなんだ……」と寂しい気持ちを抱いていたんです。たぶん、この気持ちは共感してくれる方も多いと思います。だからこそあえて先に言いたい。「『龍が如く』シリーズへの愛が深い人ほど、今回はプレイする価値がある!」と。
前作は桐生一馬の伝説の終わりで、ある意味本作は『龍が如く』シリーズとしての大きな伝説の終わりであり、また始まりでもあるんですよ。アクションからコマンドRPGになったというバトルシステムの変化も含め、間違いなくシリーズのターニングポイントとして記憶に残る作品だと断言できます。そして、なぜ主人公が変わったのにナンバリングが付けられているのか、その意味をぜひ最後までプレイして見届けてほしいです。すでに最新のストーリートレイラーやゲームトレイラーでも公開されていますが、なにせあの伝説の男たちが顔を見せるんですから、盛り上がらないわけがない!(笑)
さて、主人公の春日を語るよりも先に東城会への想いを語りましたが、春日一番の生き様を描くドラマはとにかく極上です! 魅せる演出、たたみかけるような山場の作り方、そして心に響く脚本と『龍が如く』シリーズのファンが求めるものに対して、開発スタッフが全力で応えてくれています。そんな作り手の想いのなかでも素晴らしかったのは、春日を演じる中谷さんの演技でしょう。中谷さんの演技があるからこそ極上のドラマに仕上がっているんだなと、エンドロールと一緒にテーマ曲「一番歌」を聴きながら、しみじみと思いました。桐生のあとを継ぐ主人公がこの春日で本当によかった!
なお、今回のドラマは盛り上がり箇所が数えきれないほどありますが、自分は春日と都知事の青木遼とのイベントは胸が詰まるシーンの連続で、鳥肌が立ちまくり&泣かせまくりでヤバかった……。名越総合監督が語っていた、初代の桐生と錦山が重なる部分もあるという言葉に期待していたら、期待以上のものが出てきて大満足です。そうそう、錦山役だった中谷さんが逆の立場の男を演じているのも、ある意味感慨深いなと。
さらに今回は“仲間”という存在が、ドラマに大きな厚みを持たせているんですね。横山昌義チーフプロデューサーも生放送番組で語っていましたが、全員が“主人公”と言えるくらい、キャラクターが立っているんですよ。これまでも『龍が如く4 伝説を継ぐ者』や『龍が如く5 夢、叶えし者』など、主人公が複数いるドラマはありましたが、今回は春日と仲間たちが一緒に行動していることがポイントでしょう。
桐生の場合は彼が単独で動くため、どうしても彼を中心とした会話劇になっていました。ですが、本作は春日を軸にした会話だけではなく、春日が絡まない仲間同士の会話などもあり、自分のなかでの春日像、足立像などが自然と固まっていき、どんどん彼らを好きになっていくんですよ。『龍が如く』シリーズではライバル、強敵という相手ばかりだったので(主人公が桐生だからある意味当然ですが)、『龍が如く』でこの感覚が味わえたのは新鮮でした。これはもうパーティという味付けが可能になったRPGだからこその体験であると、ここは強く推していきたいと思います。
というわけで、全3回にわたりお届けした先行インプレッション。三者三様のインプレッションではありますが、共通して言えるのが“とにかくおもしろい!”ということ。2020年の幕開けを飾るのにふさわしい1本となっていますので、ぜひ“勇者春日”として横浜・伊勢佐木異人町を冒険してみませんか?
2020-01-11 15:00:00Z
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